木曜日, 2月 01, 2007

写真撮影とマンガ

昔から写真を撮るのは好きだった。でも正直言って適当に撮っていただけで、何をやっているのかは全くわかっていなかった。富士山を登った時に撮ったフィルムが一本だけカメラ屋さんから戻ってこなかった時にずいぶん怒った覚えがある。後で気がついたのだが、恐らくあれは星空をとった写真で、露出を全部間違えたためフィルムには何も写っていなく、現像する人が露出前のフィルムだと思って捨てたのだろう。

とにかく二年前に初めてのSLRを購入し(キャノンのデジタルEOS 20D)、それ以来完全にハマってしまった。




写真撮影とは最終的には芸術的なものだと了解しているが、凝り性の私にとっては限りなくマニアぶることができるホビーである。写真のデータに最大限の情報を詰め込むためにヒストグラムを右に寄せるように露出を調整し、コンピューターで後から左に調整したり… カメラのダイナミックレンジ以上の写真を様々なシャッタースピードで撮った写真を組み合わせて合成したり… 数百メガピクセルのパノラマ写真を別の角度から撮った写真を歪ませながら縫い合わせて作ったり…

それでもマンガと同じく、ある程度基礎テクニックを身につけて道具を揃えると、本当のチャレンジは写真撮影の芸術的な技術を育てることとその芸術的なビジョンを達成するために必要な時間と努力だと気がつく。

また写真撮影はマンガテクニックのやくにもたっている。絵の構成というものや背景の役割などをもっと考えるようになったし、モノの写真を集めることは描く練習のための資料集めにもなる。もしかしたら、写真撮影からマンガ道への一番大きな貢献は「どうやって感情を一枚の絵に埋め込むか」など、ビジュアルメディアの言語のことを考えさせてくれていることかもしれない。

カメラ器具は安いものではない。でも家の「最高財務責任者」からOKが出たのは、私が将来、うまく家族の写真をいっぱい撮れるようになるという期待があったからで、実際それから二年後の今、ある程度上達したのでプロの写真家を雇う必要はほとんどなくなったと思う。でもあまりにもハマってしまって、このホビーは「家族の写真を撮る」という次元を遥かに超えてしまった。