金曜日, 12月 01, 2006

オールデジタルの仕事場

最近ワコムのCintiq 21UXを購入した。画面に直接描き込むことが出来る液晶モニターで、画面を見ながらペンタブレットで描きこむ場合と違い、手のもとで描いている絵を見られるのが利点なのだ。

つまり、これで紙は必要なくなるのである。

またインクが乾くまで待つ必要もなければ、インクの汚れの心配もない。 瓶ごとインクをマンガの上にこぼしてしまうこともないし、暑い日に手の汗で紙が湿ってペンが 引っかかったりインクがにじんだりすることもない。

すべての仕事はコンピューター上でやることになるので、インクした絵は鉛筆で描いたのと同じく「消す」ことができるし、鉛筆のレイヤーをキーひとつで消すことができるので何十枚ものページを消しゴムでゴシゴシやる作業も省ける。スキャナーもいらなくなるので、スキャンノイズを削除する面倒くさい工程も避けることができる。

デジタルファイルを操作したりバックアップするのになれていれば、仕上げた原稿のアーカイブも楽になる。またインクや原稿用紙を蓄える必要もない。


デジタル天国である。

もちろん問題点がない訳ではない。スタイラスとモニター面の間の摩擦は紙とペンの手応えとは違うため、初めのうちはCintiqの上で手がすべってしまう。また描くスケールによって色々考慮することがある。例えば縮小したスケールで線を描くと、それを拡大した時に実はギザギザに入力されてしまったことに気づいたりする。でもなれれば問題ないので、アーティストには実にすばらしい道具である。

今度描く数学のマンガは私にとってCintiqをフルに使った初めての本である。新しいオールデジタルの仕事工程を使うのでどうなるか楽しみだ。