木曜日, 7月 24, 2008

マンガ道のアップデート

ひさしぶりです。「よくわかるマンガ微積分教室」は講談社から出版され、我々はロサンゼルス近辺に引っ越し、人生の新しいフェイズを始めました。


微積分マンガで使ったオールデジタルの工程は実に良かった。初めのうち、Cintiqで描くスピードは「マンガ『種の起源』」を描いている時と変らなかったが、一旦なれたら比べ物にならないほど便利で作業はスピードアップした。

また、おかげさまで「マンガ『種の起源』」は最近二回も重版されました(一回目の千部は二ヶ月もたたないうちに売り切れた)。国立科学博物館が「ダーウィン展」を展示している時にギフトショップに置いてもらったら、売れ行きがグーンとのびた。「ダーウィン展」は今は大阪にあるので、そこでも売れることを期待しています。

そして、これから「マンガ微積分教室」の売れ行きも楽しみです。

でも、本当のマンガ生活はこれからなので、次のプロジェクトは週間連載をやるための技術向上とアイデアの用意です。なので、これからは家に籠って修行することになります。

月曜日, 10月 01, 2007

ブログの更新、しばらく休みます

オードリーちゃんのめんどう、妻が専門医学実習生を無事終わらすためのサポートや次のマンガ本の執筆で時間が足りない毎日です。一番大事なことに専念できるようにブログへのポストを少し休ませていただきます。

マンガを描くということは頭を使うだけでなく、体力も大事。最近は寝不足のためか、本業から帰ってからスタミナ切れであまり仕事がはかどらない。そこでまた運動をし始め(オードリーが生まれてからはほとんど運動できていない)、仕事を長期的に持続できるようにしたい。

数学のマンガを来年の初めに出版し、その後にはマンガ技術の修行に専念し、ストーリーのアイデアなどを煮込み、日本の出版社に持ち込みをするのが予定である。

マンガ道のことをまた話しにいつかこのブログに戻ってきます…約束します。でも今はこのマンガのキャリアを軌道に乗せるために集中しなければなりません。なんせフルタイムのマンガ家になれなければ、話す道も何もないのですから…

土曜日, 9月 01, 2007

マンガ制作に便利な入力デバイス

オールデジタルな制作法に移ってから、私は主にアドビ社のイラストレーターとホトショップを使っている。ディスプレイは画面上に直接描き込みが出来るワコムのCintiq 21UX(前のポストを参照)とレイアウト等に便利なアップルの30インチCinema HDを使っている。

非常に便利なセットアップではあるが、マンガを描く時は更に反復性のストレス障害(RSI)に気をつけないといけない。そのためには入力デバイスを工夫して使うことが必要である。

まずCintiq 21UXのようなタブレットを使っている場合、キーボードが使いにくくなる。ペンを片手に持ち、もう片方の手はモニターを握っていることが多いので、キーを押したい時は下を見てキーボードの位置を再確認しないといけない。

ホトショップを能率よく使う人はキーボードのショートカットキー、もしくは面倒な作業を簡単にするマクロを使う。しかしこの作業はキーボードを簡単にアクセスできることを前提としている。さいわいCintiq 21UXは画面の端にプログラムできるボタンが配置されているので、ペンを持っていない手で色々な機能をアクセスできる。それでもホトショップは機能が多いので、数個のボタンでは足りない。


そこでロジテックのNuLOOQが登場!方向と回転のコントロール、プログラムできるボタンやiPodのようなタッチインタフェースがある小さな入力デバイスである。しかし、Contour社のShuttlePROとは違い、ボタンがそれほどないのでややこしくないところが私の制作工程にちょうどいいのである。私はこのデバイスでズームやスクロールしたり、ブラシの大きさを変えたり、UndoやRedoしたり、commandやshift-commandなどのmodifierキーをアクセスできるようにプログラムした。

またNuLOOQはNuLOOQ navigatorというプログラムできるポップアップツールが付いてくる。私はCintiq 21UXのペンボタンを押した時にこのnavigatorが出るようにして、ホトショップでよく使う機能を簡単にアクセスできるようにした。

つまり、右手に持ったペンでNuLOOQ navigatorをアクセスし、左手でNuLOOQとCintiq 21UXの画面ボタンをアクセスするので長い時間キーボードに触れずにマンガ描きに集中できちゃうのである。

水曜日, 8月 01, 2007

ペット、マンガとコミックス

オードリーちゃんが生まれるまで、私たちは二匹のマルチーズ、ハイジとアルフィーがメインのエンタメだった。飼う前は色々と大変そうなので私は反対だったが、いったん飼い始めたら彼らがいない生活は考えられなくなってしまった。

ペットを飼ったことがなかったためか、犬がこれほど性格にあふれ、楽しい個性があるものだとは知らなかった。


ハイジ


ハイジは感情が幅広くて豊かな犬である。ある面、すごくシャイでオチャメなところがあり、子犬の頃、知らない人や大きい音に対して逃げて隠れるところから「Hide-y」という名前が付けられた。逆にすごくうれしい時は舌を出しながらものすごいスピードで走り回り、30キロの犬に喧嘩を売って気合で負かしてしまうほどである(うちの犬は二匹ともたったの三キロである)。食べ物がほしい時は礼儀正しく座って、綺麗なレディーの目で飼い主を見上げるが、夜は腹を丸出しにして大の字で寝そべっている。


アルフィー


アルフィーは昔からハッピーでおとなしい性格。別の部屋で一人の時は自分を相手にボールを蹴り回したり投げたりし、コロコロと床の上でころがったりして人生を楽しんでいる。大好きな趣味はハイジお姉さんの耳や尻尾を引っ張って怒らすことである。初めのうちハイジは無視するが、いずれはレスリングマッチになってアルフィーは圧倒されてしまい、ベッドの下に逃げてしまう。それでも数秒後、こりずに何度も何度もハイジにぶっ飛ばされに戻ってくる。


ドアの前で飼い主を待つ独特な姿


マンガ家が自分のペットをもとにストーリーを書きたがるのもよくわかる。チャールズ・シュルツのポインターはスヌーピーのキャラ作りを影響し、絵本作家ドクター・スースは多くのペットを飼っていたため、猫を描くのが好きで、アルフィーの毛がボーボーと伸びた状態を見れば、彼のキャラの毛深い足の由来も想像できる。

いつかワンちゃんたちのコミックかマンガを描きたいですね。

日曜日, 7月 01, 2007

マンガ本が初めて翻訳された!

私の初めのマンガ本がHan Seung社によって韓国語に翻訳され、格好よく装幀されました(内容は韓国語なので読めませんが…)!


次の作品は現在執筆中です。妻が妊娠中の間、色々とあったのでかなりの間マンガ描きから離れていました。でもオードリーも無事に生まれ、生活も安定してきたのでまたマンガに専念できるようになりました。運動もまたし始めて、本業の後にやるマンガ描きに必要なスタミナづけにも役立てています。

オードリーは元気に育っていますし、私はいっぱい写真を撮っています。使っていないレンズを売っぱらって、望遠ズームレンズをもっと光学的に良く、手ブレ補正機構があるものと買い換えました。これでレンズのラインアップはキャノンのEOS 20DにEF-S 17-55mm f/2.8 IS、EF-S 60mm f/2.8 マクロとEF 70-200mm f/4 IS…と随分便利になりました。

金曜日, 6月 01, 2007

マンガの将来

アメリカとヨーロッパでのマンガの人気上昇はすごく、メジャーな本屋さんでは翻訳されたマンガが何ダースもの本棚を占めている。でも、日本では残念ながら一般書物とともに売れ行きが毎年着実に減っている。

人が興味を持つ趣味の数も増えていくばかりなのでそれほど不思議なことではない。プラモでも同じ現象が見られたし、ここ数十年で流行ったビデオゲームの爆発的な人気だって最近は安定化してしまった。

ひとつの要因は現代人が即座に満足感を得ることを当たり前としてきていることだ。人間はモノの便利さを良いことに少しずつ怠けてきているため、読書からマンガ読みへ…そして今はマンガ読みから映画を見ることへと労力が少ない方へと興味は移っていく。アメリカでもコミックがハリウッドに活気を与え、最近のトップ映画の多くはコミックの映画化、もしくはそれからインスパイヤされたものである。

マイナスな要因としては著作権侵害やただ読みなどがある。音楽とソフトウェアの業界はこのために苦労し、マンガ界でも同じことが起きている。まだメジャーとは言えないが、デジタルフォーマットで出版されるマンガはコピーしやすいし、わざわざマンガ本のページを一枚一枚スキャンして海賊版を作る人もいる。マンガ喫茶なんかに行けば、客はマンガを描いた人に一円も払わずに読み放題という一般のビジネスモデル視点から言えばけしからん状態である(マンガ喫茶自体はマンガ本のおかげで客が増えているというのに)。

というわけで、著作権に関しての戦いは続き(続いてもらわないとマンガ家としては困る)、将来どうなるかはわからない…が、確信もって言えることはひとつある。読者がなんとかマンガを金銭的にサポートしなければ、マンガ業界はなくなる。マンガ業界がなければ、マンガもなくなる。


私にとって一番大事なのは、自分が物語をする人でいられることだ。ある意味、最終的なメディアは変わっても関係ない。でもマンガだと内容や芸術的な面で一番コントロールを保てそうなので、なんとかそこから始めたい。

これからのマンガが新しいトピックを取り上げないでマンネリ化していけば、メディアとしての輝きが薄れ、ポルノやオタク分野が主なものになってしまうだろう。マンガは芸術的に育ち、良き文芸と同じく、人間に意味深長なアイデアをうまく表せるようにならなければならない。

火曜日, 5月 01, 2007

Audrey 誕生!

四月十八日にAudreyが無事に生まれました。 これで家のブーちゃんがもう一人増えたことになります。今年は金の猪年で、うちの犬のハイジは豚みたいに大食いだし、ハイジの弟アルフィーは豚みたいなプギプギ鼻声だし、私も猪年なのである。


妻は妊娠中かなり大変だったので、出産後の赤ちゃんが眠らせてくれない毎日は比較的楽に感じる。また、写真をもっと撮る口実にもなるし、Audreyも(今のところ)写真を撮られるのを拒んでいない。赤ちゃんの写真を春の気持ちいい日にいっぱい撮ることが待ち遠しい。

もちろん将来ガンプラに興味を持つことは期待していないが、色々なプロジェクトを一緒にやることが本当に楽しみだ。