水曜日, 8月 16, 2006

マンガ道からのお便り

私は5歳の時からマンガ家になりたかった。典型的かも?

でも話はそう簡単にはすまなかった。

それは同じ年頃から科学者にもなりたかったからだ。自然や数学、コンピューターで遊んだり、モノを設計して作ったりすることなどが大好きだったこともあり、物理学を勉強することにした。

「あれっ?」と思う間に大学院生。しかし20代半ば、博士課程の途中で自分にとって大変大事なことに気付いた。「ええっ?そんな大事なことに気付くのになんでそんなに時間かかったんだ?」と聞きたい所だろうが、ここで生物学的に考えてほしいことがある。それは複雑な生物ほど一人前になるのに時間がかかることだ。つまり、アメーバが2つに分かれるまで成長するのに2日かかり、蚊が2週間でチンパンジーが12年なら、自分はそれほど悪くないように見えてくる。


とにかく気が付いたのは、自分がいくら科学が好きでも研究室に閉じこもっていることに不満を抱いていることだった。「生きること」に関しての答えはそこで見つかることは叶わず、自分が必要としているデータポイントはいわゆる意味で「もっと大きな世界」から集めないといけないことが明らかになった。

また科学研究には確かにクリエイティブな要素もあるが、自分の芸術的な能力を使うことがあまりできていなかった。逆に絵を描いたりプラモ(これに関しては後でまた話す)を作ったりするのはアーティスティックではあるけれど、それだけの人生では学術的な刺激が欠けているように思えた。自分の能力や興味をフルに生かしながらできる、意義があって人の印象に残ることをしたい。色々と心の中を探った結果、マンガ家になることにした。自分の哲学を追求しながらビジュアルな「話」という形で他の人に表現することがができるからだ。

それ以後、私は教室でお絵描きをしたり空想にふけているステレオタイプの人になった。まあ、正直言えば昔からそうだったのかもしれないがこれで公式ということにしましょう。とにかくいずれは大学院を卒業し、近くのソフトウェア会社MathWorksで本業を持ちながら夜中にマンガのプロジェクトに励むことになった。マンガに専念する状態として能率が良いとは言いがたいが、フルタイムのマンガ家として収入が入るまではしかたがない。それまでは、「どんなスーパーヒーローにも本業が必要」と自分に言い聞かせている。

そんな始まりでした。初めはマンガ道を歩み始てからどうなったかを語り、その後からは現在の出来事をリアルタイムで報告します。

ちなみに英語に興味があったりそちらの方が読みやすい方のためにこのブログの英語版をここで同時に更新します。

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